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2023年11月14日

「語られにくい自死について」安全に語れる場所があります

こんばんは。リフレーム・カウンセリングルームの平野なおみです。

すっかり寒くなりまして・・・私は今日、手袋と。それからカラフルで締め付けない冬用靴下を新調しました。

北海道の長い冬を、温かくなるべく心地よく過ごせるように心と身体を労わる準備ですね。

こちらを訪れて下さっている皆様は、いかがお過ごしでしょうか?(北海道・・・雪、積もった地域もありますもんね💦)

さて、先週、釧路で「大切な人を自死でなくされた方のためのグループ」を行いました。

私も主催者として。それからひとりの仲間として参加し、語り良い時間を過ごしてきました。今年ラストの開催は、大切な人とお別れした日の近くを選びました。

心の傷を語るのには安全な場所・安全な人が必須とされています。安全でなければ例え、悪気なくであったとしても簡単に傷付いてしまう事も多いのかもしれませんね。

安全な場所・安全な相手とは、「何を話しても否定や批判をされない場所」です。「頼んでもいない勝手なアドバイス」もされません。

勇気をもって話してみても、「そんな事言うもんじゃないよ」「いつまでメソメソしているの」「いい加減、もう忘れて次にいきなよ」と言われてしまったり。

怒りを向けられたり、無視されたり。

「自分はこうだった。だからあなたもこうすればいいんじゃない?」などの言葉や態度は、「安全とは正反対のコミュニケーション」となりますね。

どの感情も、その人の持つ大切な感情ですし、どの行動もその人のその時の最善なものだと思います。

また、聴くだけの参加(話さない事)も尊重されます。沈黙や言葉にならない想いだって沢山ありますよね。

それだけデリケートで、圧倒されてしまっても不思議ではないような大きくて悲しい出来事です。

何の為に語るのか?は、過去の出来事として適切に捉え直しする事ができたり、流せなかった涙を流せたり、周囲に気を使ってもう大丈夫なフリをして抑圧して閉じ込めてきた想いを少しずつ少しずつ感じられたり。

直面できずにいた悲しむべき悲しみを感じたり、本当は怒りたかったのに押し込めた怒りを感じたり。

救えなかった罪悪感で一杯の仲間の話を聴きながら、「あなたのせいじゃないよ」と感じられたり。

そしてそれをご自身の身に置き換えて冷静な思考で客観的に捉え直すことができて、同じように何十年も救えなかった罪悪感を抱えていたご自分を初めて許せたり、ふと心が軽くなったり。

感情や思考を整理していくことで「本当の意味でやっと今や未来を考えていく」ことができていくかもしれません。

少なくても私自身は、自分を守る為に、崩壊しないように麻痺させノーケアのまま何十年も圧倒され続けていましたので適切に捉えることなんてできませんでした。

そして、似た経験をしている仲間と出会うことは、もうそれだけで大きな癒しに繋がることが多いと私は思っています。

「自分だけじゃなかったんだ」と私も心から安心した事を懐かしく覚えています。

そしてもちろん、「扉を開かない選択」もありで尊重されるべきですね。誰もが悲しみに向き合えるプロセスにいる訳ではありません。

自死について話せる場所の少なさ・心のケアの大切さ

「安全な場・安全な相手」でなければ逆に傷付いてしまう可能性が高くなる事も書きました。もう二度と傷付きたくないと思って当然なところに・・・です。

なので、話せる場って実は少ないものですね。家族の中では気を遣ったりで、逆に話せない事の方が多いのかもしれませんね。

私がこうやって発信しているのは、安全に語れる場所がありますよ!という事や、心のケアが必要ですよ!という事を知ってほしいのもあります。

自死は、一時よりは少なくはなりましたが、日本ではまだまだ多いのが現状です。そして傷付いた心にはケアが必要です。

上の世代が抱えた不安や罪悪感、悲しみなどのトラウマは例え、秘密にしていても、力のある下の世代(お子さんやお孫さんなど)がキャッチして自分に取り込み症状(メンタル不調)や問題行動などを起こす事も少なくないと思います。

私は、2012年からセラピストとしての活動をさせていただいています。

自死を主訴(困っている事)に来られる方は多くはないのですが、実際にお会いしてお話を伺ってみると「カウンセリングを受けに来られる方の1/3位の割合の方が自死遺族」である事実にいつも驚きます。

なので「自分にできることがあるかもしれない・それをしたい」と思う「故人への感謝の気持ち」がこのお仕事をさせていただいている穏やかで大きな動機となっています。

*こころとからだのケア* リフレーム・カウンセリングルーム 代表/心理セラピスト 平野なおみ

個別のカウンセリングや心理療法をご希望される方はご連絡ください。自死遺族の立場でもあるセラピストが対応しています。