こんにちは。今年も雌阿寒岳の初冠雪の便りが届き、17時には既に真っ暗となる季節がやってきましたね。今月中旬のお休みに行った来たまだ秋色になる前の屈斜路湖の畔は今頃、さぞカラフルな大地となっている事と思います。
こちらを訪れて下さっている皆様は、いかがお過ごしでしょうか?日照時間の変化も関係して、この季節に調子を崩される方も多いです。私もこの季節にどことなく物悲しさを感じる一人であります。
さてさて、先日21日に「I am hereの会」さんからの講師依頼でシッポカフェさんでお話をさせていただきました。
「これって本当の愛なのかな?」~「愛し方」「愛され方」に悩むあなたへ~
参加された方々のメンタルヘルスについての認識の高さに、少し興奮気味で(笑)お話させていただいた私です。人の持つ力って凄いな~、といつも思います。釧路地方の方も、そして遠くから来られた方々もお会いできて嬉しかったです。そして場の安全性を保つためのご協力にとても感謝しています。
ミニワークも人数の関係で、私も混ぜていただいて良い時間を過ごさせていただきました。
そして何より、I am hereの会さん。地域にこう言った団体がある事を嬉しく思っています。共通の言語で話せる方の存在は大きな意味があると私は思っています。
いつもはリフレーム・カウンセリングルーム主催の学習会が殆どなのですが、こうやって外部主催の所でお話させていただく機会をいただく事は、私も私のフィールドで地域に貢献をし続けていきたいと言う思いを再確認できる良い機会となっています。
パートナーとの関係性・人間関係がいつもうまくいかないのは愛着のテーマが隠れているかもしれない
さてさて。今回、「愛着(アタッチメント)障害」「アダルトチルドレン」「共依存症」周辺でリクエストをいただいていました。言葉は違いますが私はこの3つは同義語だと考えています。
カウンセリングやセラピーに通われる方々が切っても切れないテーマだと私は思いますし、私自身もこのテーマ(自分の課題)に気付き、自分の悲しみ・怒り・淋しさ・傷付いた感じなどのトラウマを長い年月をかけて向き合い癒し、そこそこ大丈夫になっている一人です。
・本当の愛ってなに?→かつてのノーケア時代の私も本当の愛が何なのか分かっていない一人でした。愛としがみつきを混同し愛着対象である相手に、関心と言う愛を貰う為にしがみついた経験をもっていますし依存心の塊、良くない方の共依存も沢山してきたと思います。
本当の愛は厳しいもの。これは西尾和美先生のお言葉ですね。
ギャンブル依存症を持つ人にお金を貸す、借金を代わりに返済する事は本人の力を奪ってしまう事につながり本人を益々、ダメにしてしまいます。
相手の関心や愛情を繋ぎとめるため、確認するために、過剰にあれこれ世話を焼くのも空虚な感じや見棄てられ不安など自分の問題から起こっている事かもしれませんね。
・問題なのは、愛着が形成される幼児期に、「養育者との健全な愛着」を残念ながら構築できなかった方は「その愛着の持ち方を持ったまま大人になっていく」可能性が高い(と私は思っている)事ですね。
そうすると大人になってからも、回避したり葛藤を抱えながら混乱し、人間関係やパートナーとの関係性がいつもうまくいかない・・・人が怖い、信用できない・・・自分の気持ちを言えない(分からない)事を繰り返してしまう方も多いと思います。
これって生きづらいですよね。自分が何なのか分からない・・・人との関わり方がよく分からない・・・自分に自信が持てない・・・本当は人と関わっていたいのに傷付くのが怖いのでいつも一人でいる・・・嗜癖に走りやすい・・・など人生のバランスが取れないままで孤独に生き残ってきている方が殆どかもしれません。
愛着障害/アタッチメント障害は、「反応性アタッチメント障害」「脱抑制型対人交流障害」の2つに大別されます。
反応性アタッチメント障害とは「養育者への支援を求めなかったり反応しなかったりする状態」。脱抑制型対人交流障害とは「初対面の大人に警戒心なく過度に馴れ馴れしい態度を取る」とされています。前者はASD(自閉スペクトラム症)と、後者はADHD(注意欠如・多動症)の症状と間違われやすいというのも頷けますね。
診断が付くレベルではなくても多くの方の生きずらさの根底にあるのは「愛着のテーマ」だと私は思っています。Bowlbyさんの愛着理論では「愛着と言うのは自らが安全である感覚」の事です。
困った時に、「困っているから助けてほしい」と言える方はもしかしたら少ないかもしれません。かつての私ももちろん言えませんでしたし、今でも本当に大切な相手には言い出しにくい時があります。固まったり思考停止したり、「別に困っていませんが何か?」と言った防衛機制が働きがちな自覚があります。
そして、緊張感のある張り詰めた空気を和ませる為に。過度にその場を盛り上げてキャッキャしてしまっていた大人の気分を変えるのが上手な子どもでもありました。叱られ役を買って出る訳ですから健気ですね。
そして、愛着障害/アタッチメント障害には薬物療法が有効という報告はないそうです。養育環境をより良いものに改善していく事や、大人の養育者との情動体験を補うような養育的治療が求められるとされています。
効く薬はない・・・けれどもプレイセラピー(遊戯療法)や養育者の方のケアとサポートによって改善していく可能性があるという事ですね。
なんだか分かりやすく書くのが今日は難しいのでこの辺で。クライアントさん数名からこのテーマを知りたいと言うリクエストが届いていますので、また「子どもの扱い方学習会」などでやっていきたいと考えています。(曜日の調整が一番難しいのでご希望があれば個別にご連絡ください)
不安でいっぱいなまま大人になっていても安心の感覚は育てていける
不安症などを持つ方が根っこの部分から回復していく、つまり安心の感覚を育てていくのは、いくつになってからでも遅いという事はないと私は思っています。本気で回復していきたい方に大切なのはまずは「自分を知る」事かもしれませんね。
リフレーム・カウンセリングルームでは言語によるカウンセリングや心理療法と並行して、ご希望される方には2つのタッチセラピーの提供を行っています。話さなくても愛着や安心の感覚を育てていくサポートをさせていただいています。
ではでは、また
今回、持って行ったお勧め著書 「今日一日のアファメーション:西岡和美先生著:ヘルスワーク社」「自分の居場所のみつけかた:斎藤学先生著:大和書房」「母さんがどんなに僕を嫌いでも:歌川たいじ先生著:エンターブレイン」「壊れた家族で生きてきた:最上うみみちゃん著:イースト・プレス」
*こころとからだのケア* リフレーム・カウンセリングルーム 代表/心理セラピスト/自律神経の調整タッチセラピスト 平野なおみ